🏗 一般の人がなかなか入ることのない、建築現場。
今日はそんな現場の、とある一幕をお届けします。
図面、工具、ホコリ、笑い声。
そこには、真剣なまなざしと、時々ちょっとした笑いの応酬。 ふだんは見えないけれど、現場には人間味あふれる会話がいっぱいです。
このシリーズでは、私たちが普段当たり前のように使っている「ちょっとむずかしい建築用語」を、実際の職人さんたちのやりとりの中から、楽しくご紹介していきます。
新人さん:「あれ?竹内さん、この板と板の間、少し隙間が空いてますけど…これって大丈夫なんですか?」
竹内さん:「おっと、隙間が空いてる?…社長、すみません、やっちまいました!… な〜んてな(笑)。冗談だよ。心配すんな、これはわざとだよ。」
新人さん:「えっ、わざと隙間を空けてるんですか?どうしてまたそんな…?」
竹内さん:「これはな、ちゃんと理由があるんだ。名前もついてる技法で、その名も**『目透かし(めすかし)』**ってやつさ。つまり板と板をぴったりくっつけずに、わざと少しだけ間隔をあけて張る方法なんだよ。」
新人さん:「へぇ〜『目透かし』ですか。初めて聞きました。でも隙間をあけるなんて、なんだか不思議な感じですね。」
竹内さん:「そうだろう?でもな、これがお洒落で大事なんだ。ほんの隙間を作ってやるとお互い干渉せずに済んで、見た目もすっきりカッコよく仕上がるってわけさ。」
梶岡社長:「その通り。【目透かし】は、板と板をわざと離して貼ることでデザイン的にもシャープに見えるんだ。ほら、隙間があることで細い影が筋状に入って、全体が引き締まって見えるだろ?」
新人さん:「はい、言われてみればオシャレです!でもデザイン以外にも何か利点があるんですか?」
梶岡社長:「うん、いい質問だね。いつもなんでも質問するのは、すごくいい所だよ。 利点は他にもあるよ。木は湿気や温度で膨張したり縮んだりするだろう?隙間ゼロだとお互い押し合って反りや割れの原因になることもある。でも目透かしで余裕を持たせておけば、そういう不具合も起きにくいんだよ。」
新人さん:「デザインだけじゃなくて実用面でもちゃんと考えられているんですね…。勉強になります!」